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長方形
新着支援事例 
長尾商店

​令和2年度の新着事業承継支援事例です。

中津市山国町守実110-5
tel.0979-62-2041

町内約400世帯の安全を支え続ける実績と信頼が事業基盤

不安要素が多い時代。
逆転の発想で好機を生み出してほしい。

父/長尾秀一さん

今になってようやく父の言葉の意味を理解できました。

代表/長尾慎太郎さん

企業概要

後継者の祖父が1961年に創業して以来、三代続く商店。山国地域約400世帯の顧客にプロパンガスの小売販売を手がけている。承継により新商品の導入にも意欲を燃やす。

承継年表

▼1961年創業
▼2019年
中津市しもげ商工会山国支所に相談。センターから専門家を派遣し、事業用資産の承継、許認可等の相談と新規事業の将来性について検討
▼2020年
プロパンガスの認定保安機関の更新が完了しなかったため、センターから中小企業診断士を派遣、承継時期を再検討。同年7月事業承継完了。開廃業の手続き面についての相談、税理士による承継方針・確定申告上の注意点等を再確認するなど支援継続

承継後に待ち受ける不安に目を逸らさない

 全国的に人口減少、高齢化、若者の都市部流出の解決策はなかなか見出せず、それは地方にいくほどに深刻化する。
 町中央部を一級河川・山国川が流れ、“ほたる飛び交う源流のまち”として水の郷百選にも選ばれた中津市山国町もまた、九州最大の都市、福岡県と隣接しながらも人口減の歯止めがきかず、町の規模としても年々縮小傾向にあるというのが現実だ。
「長男だし小さい頃から親に言われてきたこともあって、自分が家業を継ぐのは当たり前のことだと思っていました。でも、この先10年後の将来もしっかりと見えず、自分の子どもにどんな形で引き継ぎができるんだろうか、というのが正直な気持ちです。理由はやはり人口減少というのが一番大きいですね」。
 そう語る長尾慎太郎さん(42歳)は、町内に本店をおく唯一のプロパンガス事業所として創業者の祖父の代から父と続き、2020年7月に三代目として新代表になったばかり。全盛期には山国町エリアに約600世帯もの顧客をもっていたというが、現在は385世帯。エリア内に競合先は多くはないものの、人口減少に加えてオール電化の普及、さらに給湯器などの省エネ化により、家庭用プロパンの使用量も減少の一途だ。
「とは言え、地域のライフラインを担う仕事であることは間違いなく、その必要性は明らか。なくてはならない仕事であり、常に責任を背負いながら前に進んでいます」。

背中が語る信念を受け継ぎ、自分流を確立させる

 慎太郎さんが本腰を入れて家業を手伝い始めたのは28歳の時。父・秀一さん(68歳)と母・くるみさん(68歳)のもとで仕事を覚えていった。
「私からは何も教えることはなく、やりたいようにやれというスタンス。不安が多い時代だからこそ、逆転の発想で何かを生み出してほしい」とは秀一さん。父であると同時に個人事業主の先輩として、“オレ流儀から慎太郎流儀に”“自分のやり方は自分で決める”と、無言で伝えてきた。
 本来ならもっと早い時期に事業の引継ぎをしたいと考えていたが、「生前相続にはお金がかかると聞き、タイミングを計りかねていた」という長尾家。改めて商工会の経営指導員に相談したところ、事業承継の支援を受けられることがわかり、面談を重ねて約1年で実現。有事に活用できるポータブルのガス発電機を新たな強みにするなど、将来の計画も具体化していった。
「これから大変かもしれないけど、背中を見てしっかりと育ってくれた彼なりの考えや方向性に期待しています」。秀一さんと慎太郎さんと共に家業を支え続ける、くるみさんも長男の将来を見守っている。
 ガス切れやガス漏れ、火事や地震などの災害は深夜早朝関係なく、いつ起こるか分からないため、常に気を張り、休日であっても心底休める日はほぼない仕事。今日すべきことを明日に延ばせば、顧客の安心・安全を脅かしたり、信頼をなくすことにつながることもあるということを、「何も教えていない」と語る父の背中から、確実に受け継いだ慎太郎さん。
「今になって、父の仕事への向き合い方や言葉を理解できるようになりました。父の性格も歩んできた道も、無意識に受け継いでいたことにもようやく気づきました(笑)」。

複合施設「コアやまくに」の正面に店舗兼住居を構える。ボンベの運搬や設置、取り扱いには体力も責任感も必要だが、親子が力を合わせ、地域の安心と安全を守り続けている

地域密着だからこそ、顧客との信頼関係を築く上で顔や名前、家の場所の把握は必須。顧客データを入力したパソコンの前で「全部覚えるまで3年かかりました」と慎太郎さん

支所やセンターの担当者、専門家等とともに何度も面談を重ねて承継にこぎつけた

ボンベに刻まれた名前が信頼の証

支援内容:事業基盤の整備と将来性の検討

初面談から承継完了まで約1年。面談と専門家派遣により開廃業を支援した。事業は後継者を中心に運営されていたが、事業用資産の名義については整理が必要であり、市場縮小下でのインフラ事業の維持という課題に対応して事業の発展性や将来性も議論する必要があったため、税理士、中小企業診断士等の専門家を組み合わせて派遣。後継者の行動を後押しすることに努めた。後継者の考えや思いは、支援により策定した事業承継計画にて共有できる。

支援効果:当社の強みに気づき、将来性に明るさを見出す

何から手をつけたらよいかわからない後継者に対して、代表交代までの手順を示し、具体的な行動を促すことができた。後継者の考えや思いを踏まえ、今後のスケジュールやすべきことが明らかになり、何から始めるのか、足りないものは何かがわかるようになり、事業承継に向けて進むことができた。迷いや悩みを受け止め、必要とされるタイミングで最適な助言者を当センターの約100人の専門家リストから選定し、課題抽出から解決までに対応できた。

​令和元年度補正予算 プッシュ型事業承継支援高度化事業

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