子に継がせる親の覚悟

親族内承継の相談では、様々なパターンの親子関係に出会います。経営者の立場が父親か母親かによっても、その覚悟に違いが見られます。ブロックコーディネーターが、実際の支援現場で感じたことをまとめてみました。

 親族内の後継者に譲りたいと考える事業所について、課題解決を図るのが私たちコーディネーターの仕事です。各地区担当のブロックコーディネーターが、月に10〜20社程度を訪問支援しています。


 相談を受ける親族内承継の組み合わせは、「親+実子」のパターンがほとんどで、中でも「父+息子」は多数派ですが、もちろん「父+娘」「母+息子」「母+娘」のパターンも見受けられます。


 県内で見聞きする限りでは、「父+息子」「母+娘」の組み合わせにおいては、経営者が後継者に求めるレベルが高く、第三者から見れば申し分のない後継者も、親の目から見ると「経営を任せるには、まだまだ足りない」と譲れない(譲らない?)。場合によっては、喧嘩や仲違いに至ります。相手が「婿」「嫁」の場合は、多少遠慮もありますが、実子には概ね厳しいようです。

 一方で「父+娘」「母+息子」のような異性の組み合わせでは、親の態度はやや甘く、しかし、その甘さは「子どもの経営能力を高く評価する」という方向ではなく、「厳しい思いをさせたくない」「辛い目にあわせたくない」ので継がせたくないと、結局は承継の妨げになってしまうのが不思議なところです。


 経営者の立場が「父」か「母」か、においても違いが感じられます。前者(父親)の数が後者(母親)に比べて圧倒的に多いので傾向を論ずるには無理がありますが、あえて申し上げれば、後継者がいる場合、退く決断が速いのは母親です。

 父親は、譲ると決めてもなかなか譲れない人が多いように見受けられます(※統計的なデータはありません)。事業承継計画に「〇歳」「〇年後」には代表を退く、と記入しても、いざその時が到来すると「やっぱり、もうちょっと・・・」と言い出すのは決まって父親です。


 女性経営者は「退く」と決めたら、その日に向かって着々と準備し、途中で意見を覆さない方が多いように感じられます。後継者の「継ぐ覚悟」も大事ですが、経営者の「継がせる覚悟」の方が、はるかに難しいと、支援の現場では感じています。


 写真は、現在、県内12ヶ所で開催中の「事業承継計画表づくりワークショップ」の一場面です。親子で参加いただき、ブロックコーディネーター/経営指導員とともに、タブレット端末を使いながら事業承継計画書を作成しています。

 新型コロナ対策のために、飛沫防止のためのアクリル版を挟んだ面談となりました。

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